より安全で安心な海外活動を行うために

海外安全対策と危機管理のために

 2015年1月、シリアで邦人人質殺害事件が発生し、ISILは、日本国・日本人もテロの標的とする旨を表明しました。3月にはチュニジアの国立博物館で銃撃テロ事件が発生し6名の邦人も死傷、11月にはパリで連続テロ、翌12月にも、カリフォルニア州サンバーナディーノで銃撃テロが発生しました。場所を選ばずに起きているテロが世界各国にとって大きな脅威となっています。また、韓国ではコロナウィルス、ネパールでは大地震が発生する等、感染症や自然災害なども海外邦人の安全を脅かしている現実があります。外務省が毎年公表している海外邦人援護統計によれば、2014年に在外公館が取扱った海外における事件・事故等の総数は18,123件であり、援護対象者の総数は20,724人に上っています。

 こうした中、わが国政府はテロ対策をはじめ海外邦人の安全確保に係る取組みの一層の強化を図っています。政府の対策整備が公助の対応として進められる一方、数多くの出張者や駐在員・家族を海外派遣する企業・団体等においても、観光旅行や留学などで渡航する個人においても、安全確保のための自助の努力が不可欠です。公助は自助によって生きると言っても過言ではありません。日ごろの情報収集、渡航前の現地情勢の確認、「たびレジ」登録などは安全確保の重要な基本です。特に企業等は海外安全分野の人材の養成や、社員の啓蒙・教育、有事対応の体制構築など様々な対応が求められています。

 当協会の活動は、企業・団体等及び個人それぞれのレベルによる海外安全に向けた取り組みの支援を目的としています。協会の目的に賛同して入社された法人社員及び個人社員をもって構成される一般社団法人です。海外進出企業や海外渡航者に対して、海外安全に係る情報の提供、講演会・セミナー・講習会の開催など海外安全対策の助言・啓発等を目的とする事業を実施しています。また、平成15年12月に発足し、外務省において定期的に開催されている官民の情報交換・意見交換の重要な場である、海外安全官民協力会議の事務局として、官民連携の一端も担っています。

 海外進出企業等におかれては、常に万全の安全対策の実施に注力されていることと思いますが、安全情報の入手や安全対策に係る個別相談など、更なる安全対策の強化に向けて、当協会への入社をご検討されることをお勧めいたします。

一般社団法人 海外邦人安全協会
会長 小野 正昭