海外安全こぼれ話

2014.5.26
理事 上野悌二
空き巣強盗

 赴任先の治安が良いか悪いかを推し量る方法として、住宅の窓を見る方法がある。治安のいいところでは一階の窓に鉄格子が付いていない。1階に鉄格子が付いている家が周りにあれば要注意である。それがさらに2階の窓も含め、すべての窓に鉄格子が付いている地域は危険地域とみるべきである。

 日本で住宅を探す場合は、独身者であれば通勤に便利なところが第一候補だろう。妻帯者であれば買い物に便利なところ。子供がいれば通学に便利なところとなり、治安がいいかどうかは誰も考えない。

 しかし海外に於いて、家を探す際の第一条件は、治安のいいところでなければならない。一軒家を探す場合は冒頭の窓のセキュリティーが基準となる。集合住宅の場合は入口のセキュリティーがしっかりしているかどうか。治安の悪いところでは24時間体制で警備員が常駐しているところが望ましい。

 欧米ではそれほど厳密ではないが、そのほかの国では多少この基準で住宅探しをすることをお勧めする。それでも油断をすると留守中空き巣強盗に入られる。在宅中に侵入され犯人と鉢合わせするのは最悪である。そんなことがないよう就寝の際は戸締りを忘れずに行いたい。

 万一、空き巣強盗に入られた場合、直ぐに警察に連絡するのではなく、強盗が盗み忘れた貴重品が残っていたらそれを隠してから電話をする、というのが中南米で常識とされている。日本と違い警察の信頼性が問われるところである。

 もう一つ、中南米では教会の近くの住宅は避けた方がいい、という定説がある。カトリックの国では罪を犯しても教会で懺悔すれば許されることから、教会の近くで一仕事したついでに教会に駆け込み懺悔して許しを請うからだと言われる。嘘か本当か中南米の某国に赴任した友人は教会の前のアパートで3回空き巣強盗に入られている。