海外安全情報マニュアル

旅先のトラブル事例と対策

多くの日本人が巻き込まれる財産犯罪

2020年、海外に渡航する日本人はコロナ禍で大幅に減少しましたが、外務省の海外邦人援護統計によれば、2019年の海外航者数は2,000万人で、このうち約2万人の方が事件や事故に巻き込まれています。日本人が巻き込まれた犯罪被害の中で群を抜いて多いのが窃盗、強盗、詐欺による被害で、被害件数の9割以上を占めています。少しの油断が命取りになる「窃盗」、甘い言葉や親切心につけこんでくる「詐欺」、武器を使った凶悪犯罪である「強盗」など、財産犯罪の事例を以下にご紹介します。海外では、常に危険と隣り合わせという自覚を持ち、慎重に行動することが肝心です。

2019年海外邦人援護統計(外務省)
下記URLをご参照下さい。
https://www.anzen.mofa.go.jp/anzen_info/pdf/2019.pdf

財産犯罪の事例

スリ
事例1. 路地上で

ソフトクリームを食べながら歩いてきた外国人がいきなりぶつかってきて、服がソフトクリームで汚されてしまった。その人は親切を装って拭き取ってくれたが、後で気がつくと財布がすられていた。
※服に付けられるのは、ペンキ、ケチャップ、マスタードなどいろいろあります。

犯罪者は「犯行のターゲット」のスキを伺っています。自分をじっと見ている人がいないか、など周囲に気をつけ、見知らぬ人から不審な行為をされた場合には、毅然とした態度で対応することが大切です。
事例2. 乗物の中で

バスの中で集団に囲まれ、揺れるたびに体に触れられ、乗降客があるたびに、押されたりして、後で気がつくと財布をすられていた。

事例3. ショッピング中に

エスカレーターの降り口で、前の人がつまづき立ち止まると、直ぐ後ろの人がぶつかってきた、後で気がつくと財布がすられていた。

バッグや上着、ズボンの尻ポケットなど、盗まれやすいところには、貴重品などを入れないようにしましょう。
乗物やショッピングセンターなど混雑している場所で、体を不自然に押されたり触られたりしたときには、すぐ所持品の確認をしましょう。
置き引き
事例1. 空港で、ホテルのロビーで

・空港の到着ロビーで、機内預けのスーツケースを引き取っている間に、カートに置いたカバンを置き引きされてしまった。
・到着時、出迎えに来た人と挨拶をしている間に、足元に置いたカバンを置き引きされてしまった。
・ホテルのフロントでチェックインの手続きをしている最中に、足元に置いたカバンを置き引きされてしまった。

カバンはいつも手から離さないで、やむを得ず手から離す時は体のどこかに触れるようにする。
両足の間においても、足がカバンに触れていなければ、盗まれてもわかりません。
事例2. レストランで

・ビュフェスタイルのレストランで、料理を取りに行くためテーブルにカバンを置いて席をはずし、戻ってきたら、カバンを置き引きされていた。
・椅子にショルダーバッグを掛けて食事をしていたら、いつの間にか置き引きされていた。

食事中はカバンを自分の体に密着させ、食事や会話に夢中になっても置き引きされないよう、置き方を工夫しましょう。
高級なホテルにあるレストランでも油断は禁物です。こうした場所はお金持ちが多いと判断され、犯罪のターゲットにされる傾向があります。
事例3. 誰かに話しかけられたスキに

列車に乗り出発を待っていると知らない外国人が窓を叩いてきたのでそちらに注意を向けたスキに、列車内にいた仲間によって自分のわきに置いたカバンを置き引きされた。

どんな時でもカバンから目を離してはいけません。特に自分の周りで気を引くようなことが起きたら、まず持ち物をしっかりと確認して下さい。
引ったくり
事例1. 路上で

道を歩いているとき、肩にかけていたカメラ入りのショルダーバッグを、後ろからきたオートバイの二人組に追い越しざまに引ったくられてしまった。

道を歩くときは――
車道側を避け、バッグなどの荷物は、車道側に持たない。
バイクや車に乗った人による引ったくりは、多くの場合背後から襲ってくるので、荷物は体の前方に置く。
被害にあったら、引きずられて怪我をする恐れがあるので、抵抗せずに荷物から手を離しましょう。
事例2. 地下鉄やバスの昇降口で

地下鉄車内のドアのそばに立っていたら、ドアが閉まる瞬間、隣に座っていた人がカバンを引ったくりそのまま電車を降り、アッというまに逃げ去ってしまった。すぐにドアが閉まり、何もできなかった。

乗り物に乗る際、乗降口の近くに立ったり、座ったりしない。
混雑などで乗降口にしかスペースがない場合には、引ったくりにあわないよう荷物はしっかりと持つようにしましょう。
その他の窃盗手口
事例1. 車上荒らし

・ショッピング街で、車を路上駐車し、買い物をして戻ると、車のカギが壊され中に置いてあったものが全て盗まれていた。
・景色のいい場所でほんの数分、車のカギをかけず降りて写真撮影をしている間に、車内に置いてあったカバンを盗まれてしまった。

●路上駐車はしない。やむなく駐車する際は、貴重品は車内に置かないこと。
●カバンなど車のトランクに入れても、見られていると、トランクをこじ開けられ被害にあってしまうので注意してください。
●車の窓はシッカリ閉じ、必ずカギが掛っているか確認しましょう。
事例2. ホテルの部屋で

スーツケースにパスポート、現金などを入れて、カギを掛け外出した。帰ってきたら、泥棒に入られ、スーツケースのカギが壊され金品が盗まれていた。

●貴重品は、部屋に置かず、必ずホテルの貴重品入れ(セーフティボックス)に預けましょう。
●ホテル側のセキュリティに疑問がある場合には、部屋に備え付けの貴重品入れ(金庫)で管理する。最近の金庫は暗証番号を設定し、施錠するタイプのものが主流ですから是非利用して下さい。
ただし、カギの利用の場合、管理は宿泊者の責任になりますので、外出の際は持っていくようにしてください。
いかさま賭博(トランプ詐欺)
事例. トランプの誘い

観光中に、見知らぬ現地の人から、「妹が近々日本に行くので、日本のことを教えてほしい」と声をかかられ、誘われてその人の家に行ったが、妹は外出中。妹が帰宅するまで、トランプでもしながら待つことになりました。
ゲームに慣れた頃、いかさま賭博のやり方を教えられ、その人が「これからお金持ちが遊びに来るので、お金を巻き上げよう」と持ちかけてきたので私も興味半分から承諾してしまい。ほどなく現れた「お金持ち」が大金を賭けてきました。その掛け金に見合う持ち合わせがないというと、クレジットカードで金(ゴールド)を買えばよいと言われ、ゲームを中断し、宝石店に案内されて、貴金属を買わされ、それを賭けさせられました。結局負けて、多額の被害となってしまいました。

●ここ数年、東南アジアを中心に日本人被害者が多く出ています。
●言葉巧みに誘ってきます。特に日本人が親近感を持つ内容(日本文化に興味がある、友人に日本人がいるなど)巧妙に話しかけてきますから注意して下さい。
●英語や片言の日本語で親しげに話しかけて来る人は信用しない。まして気楽にその人の家に行くようなことは絶地にしないでください。
●危険だと感じたら、迷わず毅然たる態度で「ノー」とはっきり言うことが必要です。
偽ガイド(偽の出迎え)
事例. 空港の待ち合わせ

ビジネスで海外出張をし、空港の待ち合わせ場所に出向いたところ、私の名前が書かれたネームプレートを掲げた人がいて、旅行会社か出張先の会社から出迎えのように告げられ、用意された車に乗りました。空港近くの安ホテルに連れて行かれた後、レストランやクラブに案内され、最後に一連の費用として大金を脅しとられてしまいました。

※偽のネームプレートは、ターゲットのスーツケースについている名札を読み取ったり、本当の出迎え者が持っているプレートを見て作成するもので、本当の出迎え者よりも目立つ場所で掲げていることが多いようです。
※このケースのほか、車中で凶器を持ち出し、強盗を図るケースもあります。

●事前に出迎え者の名前、年齢、特徴、会社名などを確認しておき、到着したら身分証明書の提出を求めるなどの慎重な対応が必要です。
●予定が変わり、別の人が出迎えに来たら、旅行会社や現地連絡先に確認すること。
●持ち物に一目で旅行者とわかるような名札(タグ)付けることは避けましょう。
偽警官
事例. 路上で持ち物検査

市内観光をしている時「チェンジ・マネー」と言いながら両替を求めて近づいてきた男がいました。「ノー・チェンジ」と言って断ったが、しつこくつきまとわれて困っていると、別の男が近づいてきて、警察手帳のようなもの(偽手帳)を見せながら、その男を追い払ってくれました。そして、私にもヤミ両替の疑いがあるとして、パスポート、財布の提示を求めてきたが、旅券と財布を渡すと中身を確認しそのまま返してくれました。ホテルに戻り財布を確認するとあったはずの高額紙幣が抜き取られていました。

●警察官という言葉を無条件に信用しない、やましいことはないのでオドオドすると、注意が散漫になるスキを狙われる。警察手帳を見せたらしっかり確認し不審な点があれば「他の警察官にも立ち会ってもらう」「現地の日本大使館・総領事館に連絡する」と主張し、毅然とした態度で冷静に対処することが大切です。
※どこの国の警察官もよほどのことがない限り、路上で持ち物検査をやることはありません。
●ごく稀な例で、本物の警察官が同時の手口で、観光客を脅すケースもあります。このような悪質な警察官も存在します。もしこのような事態に遭遇したら、やはり「現地の日本大使館・総領事館に連絡すると」あるいは「警察署に出向こう」と主張するなどし、冷静に警察手帳の氏名(名札)、人相などを確認しましょう。被害届を出す時に役立ちます。
ぼったくりバー
事例. 見知らぬ人に軽く誘われて

夕食を終え、レストランから出たところ、見知らぬ人から片言の日本語でカラオケに行こうと誘われました。タクシーで案内されたカラオケスナックで、ビールを軽く飲んだだけで法外な料金を支払わされた。

●日本国内でも同様の手口の飲食店はありますが、海外では特に気が緩んで、軽く誘いに応じるケースがあります、見知らぬ人の誘いに簡単に乗るようなことは是非避けて下さい。
●もし被害にあったら、店の名前、場所などをしっかり記憶し、警察に届けましょう。
宝石詐欺・クレジットカード詐欺
事例1. 宝石店で

一流とは思われない宝石店で「日本で売れば2~3倍のお金になる」と言われ、複数の宝石をクレジットカードで購入。日本で査定したらすべて粗悪品と判明。買い取ってくれるところはどこにもなかった。

事例2. 「政府主催のセール」と誘われて

複数の女性から「政府が主催するジュエリーフェアーで、30%以上値引きしていた」という話を聞き、その店に行った。その店では東京にある有名宝石店の名刺を見せられ、これらの店と取引があると聞かされうっかり信用し、高価な宝石を購入した。店から宝石が無税で持ち込めるように、日本の自宅へ直送するよう手配された。しかし、送られてきた宝石は粗悪品で、購入した宝石店に連絡してもレシートにある電話は遣われていないので連絡がつかない。

事例3. クレジットカードの支払い

クレジットカードで支払いをしたが、金額を確かめずにサインし、控えを受け取らずに帰国。日本に帰ってから、一桁多い金額の請求書が送られてきた。

●高価なものを購入する際は、信用のおける店を選ぶこと。信用のある店でも品物をよく見て、クレジットカードで支払いをする場合、金額や通貨の確認をし、控えを必ず受け取ること。
●こうした詐欺は、他の高級品(ブランド品など)を扱う店でも、同様の手口が見られますから注意して下さい。
睡眠薬強盗
事例1. 現地の人からもらった食べ物で

市街地を観光中、自分も旅行している者だと言う男性と親しくなり、市内を一緒に観光した。いろいろと歩き回り、ビールを買い公園で一緒に飲み、すすめられたクッキーを食べたところ、急に意識を失ってしまいました。その後、朦朧とした状態で歩いていたところを発見され、気がつけば、パスポート、現金、航空券、時計など身の回り品などの貴重品すべてが、盗まれていました。

事例2. 招待された家での飲食

旅行先のスタジアムでプロスポーツを観戦中、一人の男が親しげに声を掛けてきて、話が盛り上がった。観戦後、その人の家に招待されコーヒーを出され飲んだところ、しばらくして眠くなり、目が覚めたのは数日後の病院のベッドの上でした。その時持っていた手荷物などすべてが盗まれていました。

●現地で知り合った人からすすめられた食べ物、飲み物は不用意に口に入れないこと。また、現地で知り合った人とレストランで食事をしていて、トイレに行っているスキに睡眠剤を入れられ被害にあったという事件もあります。
●初めて知り合った人と食事をするときには、一度目を離した食べ物は続けてたべないようにしましょう。
こうした犯罪で使用される薬は非常に強力で、後遺症が残る場合もあり危険です。注意を怠らないでください。
首絞め強盗(羽交い絞め強盗)
事例1. 散歩中に

日中、市街地の広場を散歩中の熟年日本人夫婦が、4人組の男にいきなり背後から首を絞められた。二人は、抵抗することもできず、その場で意識を失い倒れこんでしまった。犯人グループは衆目の中で、二人のバッグ、財布など身の回り品を強奪し逃走した。通行人から通報を受けた救急車により、二人は病院に運ばれ治療を受けたが、意識を取り戻した後も、首の外傷、のどの痛みが引かず、しばらく後遺症に苦しめられた。

事例2. 買い物の帰りに

個人旅行を楽しんでいた日本人女性が、夕方近くにショッピングを終え、ホテルに帰る途中、駅の構内を歩いていたところ、二人組の男に背後から襲われてしまった。女性は、首を絞められたため、数秒で気を失ってしまった。二人組は買い物袋、バッグ、服の内側の貴重品入れにあった財布、パスポートまで盗み、その場から逃走した。日本人女性は通行人に助けられ病院に行ったが、首にあざができるほどの怪我を負い、数日間の入院を余儀なくされた。

●この「首絞め強盗」と呼ばれる犯罪が、ヨーロッパの一部地域を中心に、日本人観光客に深刻な被害をもたらしています。この犯行は、観光客の背後から数人の男が忍び寄り、人目が少なくなったスキを狙い、いきなり背後から腕を伸ばし首を絞めてきます。このように犯行時間が短いので人通りの少ない場所では、昼間でも被害にあいます。特に日本人観光客は、金品をたくさん持っているという印象があり、欧米人と比べて体格も小さいことから、ターゲットにされやすいという傾向があります。
●首を絞められているのですから、命にもかかわる犯罪です。旅行中一人、あるいは少人数で行動する際、怪しい人物につけ狙われていないか、常に前後左右に気を配ることを心がけましょう。
ホテルでの強盗
事例1. チェックイン後

ホテルにチェックインして部屋に入るとすぐにドアがノックされた。ホテルの従業員だと思い、何気なく開けたところ、強引に部屋に押し入れられ、金品などを強奪された。

事例2. 部屋に入る瞬間

ホテルのエレベーターを降り、廊下を歩いて、部屋に入ろうとドア・キーを差し込んだ瞬間、後ろを歩いていた人にいきなり羽交い絞めにされ、そのまま部屋に押し込まれ、金品を強奪された。

事例3. エレベーターの扉が閉まる瞬間

私と見知らぬ人、二人っきりでエレベーターに乗ったところ、エレベーターの扉が閉まった瞬間、その人が凶器を突き付け金品を脅し取られた。

●ホテルの部屋のドアは必ずドア・チェーンを掛ける。もしノックされたら先ずノゾキ穴で確認するほか、チェーンははずさずにそのままで相手を確認する。ホテルの従業員、水道や電気の修理人に見えても、依頼した覚えがなければ、フロントに確認を取り、絶対に部屋には入れないでください。
●エレベーターは扉が閉まってしまうと完全に密室となります。乗る前に怪しげな人間と思われるものと二人だけになるような場合は、一度乗り過ごして、次のエレベーターを待つなど、十分な注意が必要です。
●不幸にも強盗などにあった場合には、被害を最小限にとどめるためにも抵抗はしないでください。
カージャック
事例1. パーキング

人気の少ないパーキングで、車から降りた途端、ピストルを突き付けられ、金品を強奪された。

事例2. ドアロックをせず運転

ドア・ロックをしないで運転していたところ、信号待ちをしているほんの少しの間に、置いてあった荷物を強奪された。

事例3. ヒッチハイカー

旅行中、ドライブの最中ヒッチハイカ―に出遭い、手を挙げられたので車を止め、乗せた途端に態度を豹変させ、刃物で脅かされ金品を奪われた。

事例4. 車に追突されて

夜間に走行中、後ろを走っていた車に追突され停車し、車から降りると、追突した車の助手席に乗っていた人が銃器をもって降りてきて、そのまま車を強奪された。

事例5. タイヤのパンク

空港から出て車に乗り帰宅途中、タイヤがパンクした。車を降りた途端、数人が銃器をもってやってきて、金品を強奪された。

海外では自動車に関する犯罪の手口も多種多少です。車の乗り降りはもちろん走行中も、どんな犯罪が待ち受けているかも知りません。車に関わる犯罪を防ぐには次のような対策が必要です。
●路上駐車は避け、出来るだけ監視員のいるパーキングを利用することです。
●車の乗降時は、まわりに怪しい人がいないか、周囲に気を配って下さい。また、夜間は照明のあるパーキングを利用することです。
●ヒッチハイカーは絶対に乗せてはいけません。
●走行中は必ずドア・ロックをして、すべての窓を閉じることです。
●人気のない場所を走行中のような場合、他車にぶつけられたり、パンクなどの故障があっても、多少無理をしてでも車を走らせ明るい場所か最寄りのガソリンスタンドなど人気の多い場所に乗り入れて、停車することです。とにもかくにも不用意に車から出ないことです。
夜間・早朝の路上強盗
事例1. 駅周辺

夜間、乗る列車の出発迄時間があったので駅周辺を散歩していたら、いきなり暗がりに引きずり込まれ暴力を振るわれ、カバンを強奪された。

事例2. 地下鉄の通路

薄暗く人通りの少ない地下鉄への通路歩いていると、すれ違った男にいきなり銃器を突き付けられ、金品を奪われた。

事例3. 安い宿泊先の紹介

夕方、目的地に到着し、宿泊先を探していると、見知らぬ人が近づいてきて、安いホテルを紹介すると話をもちかけてきた。その言葉を信じその人について行くと、そこには数人の仲間がいて、集団で脅され、持ち物を奪われてしまった。

●夜間または早朝の外出は極力避け、やむをえず外出する場合は近い距離であってもできるだけタクシーなど乗物を利用して下さい。特に、夜間の外出は慎重にしましょう。また、旅行のスケジュールをたてる際、目的地に夜遅く到着するような計画はできるだけ避けてください。
●このような犯罪者は凶器を所持している可能性が高く、もし被害にあった場合は生命を第一に考え、抵抗しないことが大切です。
悪徳タクシー
事例1. 無資格のタクシー

タクシーの乗り場が混雑していたので、無資格営業と思われるタクシー(日本で言う「白タク」)の誘いに応じて乗車したところ、暗い路地に車を止められて、運転手に凶器で脅され、所持品一切を奪われた。

事例2. 流しのタクシー

流しのタクシーに乗ったところ、人通りの少ない場所に連れていかれ、運転手と結託した二人組の強盗に乗り込まれた。拳銃を突きつけられ所持品を奪われた上、見知らぬ場所に置き去られた。

事例3. 強引な誘い

言葉巧みに白タクの乗せられ、求めてもいない店に連れていかれ、強引に品物を買わされた。

●たとえ急いでいても、一流ホテルや適正に管理されたタクシー乗り場からの正規のタクシーを利用し、営業許可を受けていない白タクには絶対に乗らないでください。運転手が強盗に豹変したり、料金メーターに細工したり、大きく遠回りして法外な料金を請求されるなどの事件が多発していますから注意して下さい。
クレジットカードのスキミング犯罪

クレジットカードは、特にインターナショナルカードの場合、海外旅行に際しも様々な支払いを可能とし不可欠な決済手段ですが、ところにより本人が知らない間にスキミングの上、作成された偽造カードにより悪用されるといった詐欺に遭う可能性もあり、カードの管理と使用には注意が必要です。

事例. クレジットカードを利用する時の注意

あるリゾートレストランで食事をした際、お勘定の段階で請求書とカードをウエイターに渡して、食事のテーブルでサインして支払いをしたところ、ほぼ2ヶ月後に紛失もしていないカードからわずか2日間で利用限度いっぱいの金額まで引き落とされたことがカード会社から連絡があった。ただ、自ら利用した支払いの写しを保管して証明が可能だったため、多少の時間はかかったが、悪用された金額はカード会社の保険で補償され実害はなかった。

●クレジットカードによる決済の場合、一流ホテルやレストラン以外では、自らキャッシャーのカウンターに出向き、勘定書を良くチェックした上で、面前でサインをしカードが不用意にスキミングされることを防ぐとともに、支払い証の写しを常に一定期間保管すること心がけることが重要です。一時的にせよ手元から離れてしまったカードは悪質なウエイターなどによりスキミングされ、偽造カードが作成されて、これがサインを必要としないガソリンスタンドやスーパーなどで使用されて、知らないうちに口座から引き落とされるという詐欺の被害にあう可能性がありえます。
●中長期に滞在する場合は、日本のカード会社発行の場合と異なり、現地の銀行口座を設け、この口座から引き落とされるカードを使用すると、仮に不正使用が発覚した場合でも即座に対処できるので事後の解決に便利です。
●この場合、カードの利用限度額をある程度低めに設定し、仮に不正使用されても直ぐ判明するといった考慮が必要です。
●中南米のある国では、キャッシングの可能なカードを保持していたため、強盗にキャッシングコーナーまで連れていかれて現金を引き落とされた上、強奪されたという被害事例もあり、ところによってはカードを身につけて街中に出向くことは避けるのが賢明です。